■ 専門用語は使わない                   
 一般の人になじみの薄い専門用語は、使わない方が無難です。
 その様な言葉を使う必要に迫られたら、
 他の言葉に変換するか、あるいは注釈を加えると良いでしょう。
 専門用語を連発する文章が、どれだけわかりづらいか例を上げてみます。
 清水義範さんの著書
 『日本語必笑講座』に出ていた一文がおもしろかったので、
 引用させていただきました。

●例
 門外漢には耳慣れない言葉が多くて少々わかりにくいかもしれないが、
 私が最近凝っている「アムアクタード」始動のさせ方をここにちょっと引き写してみよう。
「始動させるにはまず、始動インテルスをイン・ザ・ムードにしなければならない。
 そうではなく直接に命令ドームにキプロスすると、
 テレモムが文字連動してしまいコンパリン上に反逆する。
 故に、カムカがシフトしているのを確認してから、
 マサチューセッツまでCHQアイラインをほどこするのが先決である。
 しかる後に、GOインポとWENTモゲラを電磁界的幽閉作動基盤解放素子の上に、
 まんべんなく陳列すれば勝ったも同然である」
 こう書き写してみても、まだ「アムアクタード」について知っている人は1人もいなくて、
 もちろん私もよくは知らないというのが現状なので、なんのことかサッパリだと思う。
 それもそのはずで、以上は全部デタラメなのだ。

 以上引用終わり。

 どうでしょうか?
 なかなか最後に愉快なオチがついてますが、
 専門用語をやたら使って書かれた文章がいかにわかりにくいか、
 実感できると思います。
 パソコンに触れたこともない初心者に、
 パソコンマニアがOSがどうだの、CPUがどうだの話すのと同じ事ですね。

 門外漢には宇宙人の言葉としか聞こえません。

 私も銃が好きなものですから、趣味で書いている小説の中に357マグナム弾だの、
 九ミリパラベラム弾だの、ブルパップ式のアサルト・ライフルだの、
 専門的な用語を使ってしまうことがあります。
 ブルパップ式の銃なんて言われても、
 ガンマニアや軍事オタクでもない限りわからいでしょう(汗)。
 そういう場合は、ブルパップ式とは銃身を切りつめ、
 トリガー部をマガジンの前方に位置するようにした銃である。
 全身がコンパクトで取り回しが容易であるという利点がある、
 と説明を入れるようにしています。
 こうすれば、専門知識のない人にも理解してもらえます。

 ただし、車が好きが高じてレースを題材にした小説なのに、
 1ページまるまる車のスペックの説明に費やして失敗した作家の事例がありますので、
 注釈を加える場合も、ほどほどに。


■ 結論を先に書く                        
 小説では、冒頭にまず謎を示し、読者になんだろう? 
 と思ってもらうのが常套手段です。
 しかし、読み手に情報を伝えるための実務文の場合では、それでは失格です。
 
 まず、先に結論を書き、その後に、結論にいたるための詳細な説明を加えましょう。

 実務文では、読み手に情報を伝えるのが目的です。
 なにが言いたいんだろう? と、読者をイライラさせてはいけません。

 例えば、このコンテンツも『結論を先に書く』と、
 サブタイトルですでに結論を述べています。
 すると読み手は、なにが書いてあるか、一目でわかるので読みやすいのです。
 本のタイトルや章なども、その文章が何を伝えることを目的にしているのか、
 わかるような名前を付けています。
 意味不明なタイトルを付けている本は、小説や詩以外にはありません。
 
 結論、要点を先に書いてしまえば、そのテーマに関心が無い人は、
 その時点が読むことをやめることができ、時間の節約になります。
  
 しかも、途中で読むのをやめても、結論が先に書いてあるので、
 その文章が言いたいことは、きちんと伝わるのです。

 先に結論を書いて、その結論にいたるための詳細な説明をし、
 ラストに再び結論を書くと、非常にわかりやすい文章になります。

 このサイトのコンテンツもすべて先に結論を書いています。
 

■ 数字を入れる                       
 文章を具体的でわかりやすくさせるためには、
 数字を入れるのも有効なテクニックです。

●例
× あと少しで完成します。
○ あと1時間ほどで完成します。

 上の例文はどちらがわかりやすいでしょうか?
 「あと少しで完成します」と書いたのでは、
 いったいどれくらいで完成するのかさっぱりわかりません。
 「あと少し」がどれくらいの時間であるかは、書き手の主観によって変わります。
 5分かもしれないし、1時間かもしれないし、1日かもしません。
 場合によっては、1週間、1ヶ月が、「あと少し」であることもあるでしょう。
 これでは、読み手を誤解させてしまうことになりかねません。
 
 「あと1時間ほどで完成します」と数字で具体的に時間を示した方が、
 伝えたいことが明確に伝わります。

 有名なベストセラー作家の本にも、数字が入っていることが多いです。
 例を上げると
 『あなたもいままでの10倍速く本が読める』 
 『あなたの会社が90日で儲かる!―感情マーケティングでお客をつかむ』 
 『非常識な成功法則―お金と自由をもたらす8つの習慣』 
 『会社勤めをしながら3年間で作家になる方法』
 などなど。
 数字が入ってると目的が明確になり、どんな内容であるかわかりやすくなるのです。
 
 文章をわかりやくするために、数字を入れていきましょう。 
 

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